電子書籍/電子書籍化サービス

電子書籍化サービス

日本語に限っても書籍の種類は何十万冊もあるが、そのうち、電子書籍として楽しめるものは数千冊に過ぎない。しかも、自分が使っているデバイスで読める書籍というと、もっと種類が限られてしまう。はっきり言えば、読みたい本は電子書籍でなんか読めない、というのが 2010年春の状況だ。

そんな中で、登場してきたのが手持ちの書籍を手軽に電子書籍にしてくれるというサービス。BOOKSCAN というサービスと、その対抗馬のスキャポン、SCANBOOKS.JP というサービスが、1冊あたり 90円 ～ 110円と安価で手頃なサービスとなっているようだ。

また、この手のサービスは、著作権法的には若干グレーな内容も含まれている場合がある。これまでも、SCANBOOKS.JPのようなスキャナレンタルだったり、横浜市立図書館のコピーサービスような事例 では、利用者自身にコピー作業をさせることで、著作権法に抵触しないとの解釈がなされてきたが、BOOKSCAN の場合、利用者が著作権者の了解を得ていることを前提に、BOOKSCAN の中の人がスキャン処理を代行するという。もちろん、こちらの方が便利だろうが、スキャン依頼した書籍は返ってこないなど、心配なユーザーもいるかもしれない。

BOOKSCAN、スキャポンについては、それぞれ条件はあるが、Amazon などのオンライン書店で購入した書籍の送付先を、これらの会社宛にすることでユーザーの手元に一度も書籍を届けることなく、PDFのみ納品されるという新刊電子化サービスの提供も始めているぞ。

これらのサービスのニーズが高いということは、電子書籍で読みたいというユーザーニーズが高いことに他ならない。こうした動きに、出版社はどう答えるのだろうか？

サービス名		スキャポン	BookScan.jp	ScanBooks.jp
サービス内容		書籍スキャン代行	書籍スキャン代行	本の裁断サービス 高速スキャナーのレンタル
スキャンする人		スキャポンの中の人	BookScan の中の人	ユーザー自身
著作権法への対処		ユーザーが著作権者に同意をとっていることが前提	ユーザーが著作権者に同意をとっていることが前提	著作権法に触れる部分はない
スキャナー		スキャポン内に設置	BookScan に設置	ユーザー宅にスキャナーを貸し出し
書籍の送付	費用	元払い
料金	価格	90円 / 冊	100円 / 冊	110円 / 冊 (裁断サービス) ※ 59冊以下の場合は、別途スキャナ利用料がかかる。
	OCRオプション	90円 / 冊	100円 / 冊	ユーザーの利用するソフトに依存
	ファイル名オプション	50円 / 冊	50円 / 冊	ユーザーが自ら設定
裁断済み書籍		破棄 返却 (着払い)	破棄	ユーザー宅に返却 (基本的には裁断サービスなので)
書籍の返送	費用	着払いで返送可能	裁断済み書籍は廃棄	60冊以上は無料 60冊未満は代引き、代引き手数料 315円も請求
	スキャナ返送	-	-	実費支払い
Amazon/楽天等からの直送	対応可否	1冊から可能	プレミアム会員のみ可能	-
細かい点	書籍の種別	特になし	制限なし 5年以内の書籍に限る	分厚い書籍の場合、別途見積もり

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