特集/0006_対決! Windows ケータイ vs iPhone 3G/03_本当に使える“スマートフォン”はどっち? - Windows Phone

Top > 特集 > 0006_対決! Windows ケータイ vs iPhone 3G > 03_本当に使える“スマートフォン”はどっち?

特集/0006_対決! Windows ケータイ vs iPhone 3G/03_本当に使える“スマートフォン”はどっち?

このページをDeliciousに追加 このページをはてなブックマークに追加 このページをYahoo!ブックマークに追加

仕事や毎日の生活の強力な相棒―それがスマートフォン

ここまでエンターテインメント機能とインターネット機能について Windows ケータイと iPhone 3G を比較してきたが、実際のところ最近の携帯電話もこれらの機能についてはかなり頑張っている。もちろん、両者に比べるとアプリケーションの選択肢や使い勝手のカスタマイズという点でもの足りないところがあるが、「使えなくはないかな……」と思わせるものにはなっている。

しかし、普通の携帯電話ではどうしても Windows ケータイや iPhone 3G に及ばない、我慢できないケースもある。それが、スケジュール管理や仕事関連のファイルの扱い、メールといった PDA 的な――スマートフォン本来の使い方をする時だ (厳密なスマートフォンの定義はこの際おいておく) 。対決企画の最後は、「本当に使える“スマートフォン”はどっちなのか?」という観点で進めていきたい。

仕事で本当に使えるのはどっち?

まずは仕事で使うにはどうなのか? という点を比較していこう。最近は普通の携帯電話でもマイクロソフトの Exchange などを利用したソリューションが法人向けに提供されているが、やはり携帯電話ゆえの制限というのも存在する。よりかゆいところに手が届くのは、やはり汎用性の高い OS を搭載したスマートフォンである。

ご存じの人も多いと思うが、iPhone 3G も Exchange Server との連携は可能。ことし 9 月には“SoftBank Summit 2008”でソフトバンクの孫正義氏が法人 1,500 社に iPhone 3G を 3ヵ月無償で貸し出すことを発表し、「iPhone を使えば企業の生産性が上がる」とアピールしたのは記憶に新しい。しかし、こういったことであれば、Exhange Server との連携を前提として作られている Windows Mobile を搭載した Windows ケータイの方が優れているのは言うまでもない。

http://farm4.static.flickr.com/3110/3119472299_9c0cb755f4_o.jpg

また、Excel や Word 、PowerPoint といったオフィス系のファイルを“見る”という点においては操作性の良さや閲覧性の高さで iPhone 3G も優れているが、いざそのファイルに手を入れる必要が出てきた場合、現状では iPhone 3G に対応するすべはない。現在、Word や Excel、PowerPoint、などを編集可能な「Document To Go」で知られる Dataviz 社が iPhone 版を開発中だが、むろん購入にはコストがかかるし、標準でコピー & ペーストをサポートしておらず、キーボードもない iPhone での使い勝手はどうなのか? という点も気になる。

http://farm4.static.flickr.com/3179/3119472449_f06d5110f5_o.jpghttp://farm4.static.flickr.com/3105/3119472617_f4bc64f898_o.jpg

一方、Windows ケータイであればマイクロソフト純正の「Office Mobile」が OS 標準で搭載されており、追加でオフィス系アプリケーションを導入するなどの手間は発生しない。また OS レベルでは対応していない PowerPoint の編集なども、「ClearVue Presentation」のように端末メーカーが独自に搭載することで、追加投資をせずにすむ製品が用意されている。もちろん、HTC の Touch Pro シリーズ (X05HT など) や WILLCOM 03 のようなキーボード搭載タイプであれば、デスクトップ同等――とはいかないまでも、編集作業なども iPhone 3G よりもはるかに快適なはずだ。

前述の発表会で孫氏は「出張にノート PC を持参することがなくなったと」とコメントしていたようだが、本当にノート PC がいらなくなるのは Windows ケータイなのか、iPhone 3G なのかは言うまでもないだろう (まあノート PC の完全な肩代わりなんてのはどちらも無理だが……) 。

スケジュール管理など PIM として便利なのはどっち?

スマートフォンが普通の携帯電話より優れている分野として外せないのは、やはりスケジュール管理や ToDo 管理などの PIM (Personal Information Manager) 機能だろう。携帯電話でも同様のアプリケーションは提供されているが、どれも似たり寄ったりでスマートフォン向けのものと比較すると、やはりいまひとつというところ。この PIM 機能で Windows ケータイと iPhone 3G を比較するとはたしてどうなのだろうか?

PIM データの同期

http://farm4.static.flickr.com/3228/3120299194_dedde07f35_o.jpg

まず、基本的にプライベートのデータしか必要ないという人であれば、正直、iPhone 3G であろうが Windows ケータイであろうがさほど違いはないと言ってよいだろう。Windows ケータイは当然として、iPhone 3G でも PC 側に管理ソフトの「iTunes」が入っていれば連絡先とカレンダー (=スケジュール) などのデータを Outlook と同期できるし、アップルが提供している有料サービス「MobileMe」や Google カレンダーと同期する「NuevaSync」などのアプリを利用すれば、オンラインサーバを介して外出先からでも自宅や会社の PC と同期できる。実際、「iPhone と PC の PIM データ連携は快適。何の問題もない」という声もネット上ではよく見かける。

ただし、仕事でも活用したいという場合、iPhone 3G は「PC 側のデータとのフィールド (=入力項目) の一致」において不完全だ。これは、iPhone 3G の連絡先が Outlook 側で入力できるフィールドのすべてをカバーしていないことが理由だ。Outlook を会社の PC で使う場合、思いのほか入力する項目というのは多くなるもの。そのため、iPhone 3G と連携する際には、一致しない項目を切り捨てたり、本来とは違う項目へ追記したりするというイレギュラーな方法をとらなければならないケースが出てくるのだ。前述の MobileMe も Google カレンダーも、iPhone 3G 標準の連絡先データと連携させる以上は、この問題が解決できない。

PIM データは入力項目や件数が少ないプライベートのみにしか使わないという人や、会社の PC で使う Outlook と項目が一致するようにこれから独自のデータを構築し始めるという人ならこれでも快適なのだろうが、すでに会社の PC にインストールされた Outlook で膨大なデータを構築済みで、iPhone 3G 側では再現できない項目まで細かく入力している人にとって、項目を一致させるための作業は相当面倒なものになる。

PIM データの閲覧性

http://farm4.static.flickr.com/3253/3119473317_f53633a9e7_o.jpghttp://farm4.static.flickr.com/3102/3120300004_1e0c94a64a_o.png

スケジュール (=予定表) の閲覧という点でも iPhone 3G はもの足りない。「カレンダー」の月表示画面で画面下に今日の予定が文字表示される、イベントをリスト化して表示する画面が用意されているなど、Windows ケータイ標準の予定表より優れた部分もあるが、1 日分の予定以外は月表示では確認できない (これは Windows ケータイも同様だが……) 、Windows ケータイで便利に使っていた週表示が用意されていない、1 つのカレンダー内での細かな色分けができないなど不満点はいろいろとある。Windows ケータイの場合は TODAY 画面へのスケジュール表示を併用するなど、標準の表示機能で補完できるが、iPhone 3G では「さいすけ」などのアプリケーションを追加導入でもしない限り厳しいものがある。

http://farm4.static.flickr.com/3231/3120475890_37045a7d56_o.jpghttp://farm4.static.flickr.com/3079/3120475540_fedca20c24_o.png

また細かな点ではあるが、iPhone 3G を PIM データのビューワーとして考えた時に、使いづらさを感じてしまうのが、連絡先で取引先の情報を開いた時に、長い会社名や部署名が完全に表示されず「…」と表示されてしまう点。正式な会社名を確認するためにはページ切り替えを行い、編集画面を出さなければいけないというわけだ。これには「仕事で活用するための連絡先として用途をはたしていないなあ」と落胆してしまった。もちろん、Windows ケータイでこんな問題は発生しない。

PIM データの検索

iPhone 3G と言えば、画面スクロールなどの描画が非常に高速なことも特徴。これは現在リリースされているどの Windows ケータイでもかなわないだろう。1,000 件をはるかに超える連絡先の一覧もビュンビュンと驚くほどのスピードでスクロールしていく。しかし、探している連絡先を膨大なデータから探す時に必要なものは高速なスクロールではない (むしろデータが増えれば増えるほどスクロールによる検索は快適さを失っていく) 。個人的に最短の方法で連絡先にたどり着く方法はインクリメンタルサーチだと考えているのだが、iPhone 3G の連絡先でインクリメンタルサーチを行う場合、一度検索窓にタッチし、ソフトウェアキーボードを立ち上げてから入力するというよけいな手間が必ず入る。

http://farm4.static.flickr.com/3184/3119648157_6e38f3b6c2_o.jpg

一方、Windows ケータイではキーボードやテンキーを備えているモデルが豊富に用意されており、連絡先の画面を開かずとも TODAY からダイレクトにインクリメンタルサーチが開始できる。筆者は Windows Mobile 6 Standard Edition (=タッチパネル非搭載) のキーボード搭載 Windows ケータイ「X02HT」も所有しているのだが、ポケットから取り出して電話をかけたい相手の名前を打ち込んでいくだけで TODAY 画面から自動的に電話画面に切り替わり、あっという間に候補が絞り込まれていくのは非常に快適かつ便利だ。姓ではなく名から先に拾っていくのはご愛嬌だが、ハードウェアキーでの入力が不可能な iPhone 3G よりはるかに快適なのは言うまでもなく、一度連絡先の画面を開く必要がある普通の携帯電話よりも検索性が優れていると感じる。

ここでは、実際に Windows ケータイと iPhone 3G でインクリメンタルサーチをするとどのような違いが出るのかを動画で比較してみたい。上は前述の愛用機 X02HT 、下は iPhone 3G だ。どちらも同じ Outlook の連絡先データ (1,400 件程度) を使用し、デフォルトの画面からダミーデータの「雛矢達夫 (ひなやたつお)」をインクリメンタルサーチで探している。これを見ると、インクリメンタルサーチを始めるまでの手順がずいぶん違うのが分かるはずだ。

X02HT でインクリメンタルサーチ

iPhone 3G でインクリメンタルサーチ

結論

iPhone 3G の場合、そもそも PDA 的な用途をメインにしたものでないため (ToDo を標準で備えていない点からもこれは明白) 、PIM 機能に関してはまだまだ発展途上。コピー & ペースト機能の実装が先送りされる、ビジネスユーザーが最も多く使っているであろう Outlook との同期が不完全など、筆者が仕事のサポートツールとして使うには足りないものが多く、使い勝手も良くない。その点、Windows ケータイでは PC 連携で大きな問題もなく、取引先の部署名を確認するために編集画面を開くなんてことをする必要もない。“スマートフォン”に求められているビジネスとの連携や、スケジュール・連絡先といった PIM 機能に関しては、Windows ケータイの圧勝ではないだろうか。

ところで――電話としてはどうなの?

さて、スマートフォンということなら当然、「電話としてどうなの?」という点にも触れなければいけない。

電話がかけやすいのは?

まず、“スムーズに電話をかけられるかどうか”という点に関して。これは Windows ケータイのバリエーションが豊富なため比較する端末にもよって多少の違いは出てくるが、OS 標準のレベルで比較しても Windows ケータイの方がスムーズだろう。また前述のようにキーボード搭載モデルであれば電話をかける相手もインクリメンタルサーチですぐに探せるし、テンキー搭載モデルであれば、普通の携帯電話とほとんど変わらない感覚でダイヤルできる。

http://farm4.static.flickr.com/3252/3120300018_950dd5790d_o.png

一方、iPhone 3G の場合はデフォルトの状態から電話をかける際には必ずホーム画面の「電話」アイコンを押すというワンクッションが発生するし、インクリメンタルサーチを使う時も Windows ケータイと比べて余分な手間が掛かる。また「電話」の画面で前回利用したタブ (履歴、連絡先、留守番電話など) を記憶する仕様になっているため、「電話」アイコンを押してもすぐには電話番号を入力するためのキーパッド (いわゆるテンキー代わりの画面) が出てこないこともある。これには結構もどかしさを感じてしまった。

持ち運びやすいのは?

電話として使う以上、身ひとつでも気軽に持ち歩けるというのは重要なポイント。Windows ケータイにもいろいろあるが、最近は小型化も進み、HTC の Touch Diamond などは普通の携帯電話と比べても小型の部類に入るほどだ。また、携帯電話としての使用が前提となっているため、ストラップホールも最新モデルではすべて用意されている。キーボード内蔵モデルでも Touch Pro のように、折りたたみタイプの携帯電話とそん色がないまでに小型化されており、携帯性は非常に高い。

http://farm4.static.flickr.com/3093/3119473165_a133482fc6_b.jpg

iPhone 3G はビューワよりの製品であるために液晶サイズが大きく、それに合わせて本体のサイズもそれなりに大きくなっている。Windows ケータイの Touch Diamond などと比較するとその差は歴然としており、バッグの中にほうり込むのは OK でも、胸ポケットに入れる気にはならない。また、本体の素材がツルツルとしているのにもかかわらず、ストラップホールが設けられておらず、ふとした瞬間に落としそうになる(というか、実際に何度か落としてしまった……) 。筆者の場合はストラップを取り付けるために他社製のハードケースを追加購入したが、これは「普通の携帯電話や Windows ケータイなら買わなくても済んだのになあ」という予定外の出費だった。

キャリアが選べるのは?

それでは最後に、キャリア選びについても書いておこう。ご存じのように、現在国内で iPhone 3G を提供しているのはソフトバンクのみだ。NTT ドコモが参入するんじゃないかという話もあるが、今のところ具体的な動きというのは見えていない。ソフトバンクがほかのキャリアより魅力がないというわけではもちろんないが、NTT ドコモにもウィルコムにもイー・モバイルにも、そして au にもそれぞれキャリア独自の魅力があるわけで、その中から自分にあったものをチョイスできればそれにこしたことはない。

Windows ケータイは、現時点でもソフトバンク、NTT ドコモ、ウィルコム、イー・モバイルと 4 つの選択肢が存在し、まもなく au もそこに加わることになる。つまり日本でサービスを展開しているすべてのキャリアから自分にあったものを選ぶことができるのだ。これは iPhone 3G に対する大きなアドバンテージとは言えないだろうか? 例えば、同一キャリア内の家族割引で、家族が NTT ドコモの端末を使っている場合、自分が iPhone 3G を購入した場合はその家族割が使えない。家族割引を使うためには、iPhone 3G の使用をあきらめるか、家族に NTT ドコモからソフトバンクへとキャリアの変更をしてもらって、ソフトバンクの家族割引に切り替えることになる。しかし、Windows ケータイであれば、家族の端末が NTT ドコモの場合、それにあわせて NTT ドコモの製品を選べば良いだけである。

世の話題はとかく iPhone 3G に集まりがちだが、スマートフォンとして、携帯電話としてみた場合、実は Windows ケータイの方が優れている面も多いことがこれでご理解いただけたと思う (さわってすぐに魅力が伝わる iPhone 3G と違い、ある程度使い込まなければその魅力が見えてこないというのは、Windows ケータイファンの 1 人として、少々悩ましいところではあるのだが……) 。「スマートフォンを使ってみたい」ともしお考えの方がいたら、iPhone 3G を手に取る前に、ぜひ Windows ケータイにも (できればじっくりと) 触れてみてほしい。

比較項目WindowsケータイiPhone 3G
仕事Exchange Server との親和性標準で対応別途アプリケーションの導入が必要
オフィスファイルの閲覧標準搭載で Word、Excel、PowerPoint、OneNote に対応 (メール添付以外だけでなく本体メモリ / ストレージ上のファイルも閲覧可能)メールに添付されたWord、Excel、PowerPoint などに対応
オフィスファイルの編集OS 標準で Word、Excel、OneNote の編集が可能。一部の端末は標準で PowerPoint の編集が可能現状では編集不可×
PIMデータの同期特に問題無し一部項目が同期できない
データの閲覧標準での閲覧性は高くないが、TODAY 画面でも閲覧できる標準ではやや閲覧性が低い
データの検索キーボード搭載端末ならキーを押すだけでインクリメンタルサーチが開始インクリメンタルサーチを行うのにアプリ起動/検索窓タッチなどの手間が必要
電話かけやすさ携帯電話とほぼ同等かけるまでにワンクッション必要
持ち運びやすさ携帯電話とほぼ同等やや大きく形状的にも持ちにくい
キャリア選びNTTドコモ、ソフトバンク、イー・モバイル、ウィルコムから選択可能。KDDI (au) も近日中に対応現在はソフトバンクのみ×


ホーム 一覧 最終更新 リンク元
Last-modified: Tue, 23 Dec 2008 02:21:55 JST (3048d)